【レポート】フジマル醸造所さんの畑仕事その4

5月に三日間お手伝いに伺い、前回は、カタシモワイナリーさんをご案内いただいたところまでお伝えしてました。

今回はいよいよ最終編です。

最初の畑の今(現実)

カタシモワイナリーさんから畑に向かってすぐに現れたのが真新しい住宅地。

『ここが最初に借りた畑があった場所』と、藤丸さん。

藤丸さんが畑を借りてから数年後、畑の持ち主が他界されたことから、売りに出されて今は新しい家が建っていました。そこが葡萄畑だったと言われても見る影もなく・・・。

『見ると辛いからいつも違う道を通るようにしている。』

最初に借りた畑には、格別の思い入れがおありだと思います。ここでも後継者問題が現実問題として感じられ、藤丸さんのお気持ちを思うと気の利いた言葉一つも出てきませんでした。(なので、写真もありません・・・)

 

手作りの畑

急な山道をぐんぐん上っていく途中で案内していただいたのが、藤丸さんが一人で開墾された畑。

一見普通の山に見える草藪の先に丸太の細い橋。

農機具も入れられないし、その前にこの急斜面では手作業しか選択肢がありません。

杭も番線(ワイヤー)も手作りで工夫が詰まっているとのこと。

一人で開墾して葡萄木を植えて杭を打つ。病害や害虫にやられたりしたこともあったはず。

そういうときはどうやって乗り越えたのだろう。孤独とどう戦ったのだろう。最初の畑のエピソードもあり、そう想わずにいられませんでした。

雨には抗えず

そして最後に向かったのがあの転げ落ちそうな崖路の終点にある畑です。

藤丸さんの車は入れないので、途中から徒歩で向かいます。

今にも雨が降りそうな畑で前日同様誘引を続けます。

棚仕立ての畑で上を向いて首をかしげながら、テープナーで誘引して芽かきをします。残念ながらこの日はお昼前に本降りになってきたため、ここで作業は終了(>_<
その後、ワインショップの物流センターを見学させていただき、大阪三日間は終わりました。

オプション満載であっという間の三日間でしたが、藤丸さんが大切にされていること、岩谷さんのワイン作りへの情熱などを会話や畑作業を通して傍で感じられる貴重な機会でした。

最後に

藤丸さんと言えば、レストランやワインショップを経営されているので、派手に映るかもしれません。

ですが、この三日間を振り返って、藤丸さんの根っこは葡萄畑にあるのだと思いました。

ワイン用の葡萄木は生食用と違い下に下に根を張ります。

藤丸さんの根っこも大阪という地中深くに根を伸ばし、大阪の葡萄畑を守るため、ワインを日常に感じられる日々をつくるためにあるように思いました。

みなさんが藤丸さんのワインに出会うのは、レストランのクロスがひかれたテーブルやオシャレなワインショップかもしれません。

でもそのワインが実はこういう崖の先でできて、毎朝一人で葡萄畑に通われた日々の積み重ねからできていることを少し思い出して、背景も味わっていただけたら嬉しいなと思います^^
最後までお読みいただきありがとうございました。

フジマル醸造所さんの畑
かなりの急斜面。ここで作業をするのは半端ない重労働です。想いの強さを感じます。

 

フジマル醸造所さんの畑までの道
道が狭いので車を置いて徒歩で畑に向かいます。先に見えるのは私の荷物を持って下さる藤丸さん

 

フジマル醸造所さんの畑
157cmの私が首を傾げて作業をするので、男性は腰の負担も大きいはず。好きじゃなきゃできないし、好きだけでもできない作業です

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